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「働き方の達人」エピソード 21: 文化に上も下もない! 職場の外国人と「うまくやる」には?

文化に上も下もない! 職場の外国人と「うまくやる」には?

「働きかたの達人」エピソード21: 文化に上も下もない! 職場の外国人と「うまくやる」には?

 

 

働き方の達人エピソード21のゲストは Yi Zhu 朱藝 様 – ビジネスエスノグラファー、筑波大学 ビジネスサイエンス系 助教 です。
今回のポッドキャストでは、「海外における日本の組織マネージメント」、また逆に「日本における海外企業の組織マネージメント」における失敗と課題について実際に現地企業の従業員と働き、インタビューを通して見えてきたことをテーマに話し合いました。

 

ここでのビジネスエスノグラファーとは、人類学でよくみられる「参与観察」といった現地における長期的な観察にもとづいて、ビジネスに関する研究を行う人を指します。なぜこのような手法で経営を考えるかというと、組織のマネージメント研究において、定量的な分析には限界があるからです。アンケートや統計で全体の傾向やYES、NOという答えが分かったとしても、「それがなぜYES/NOなのか?」という質問には答えられません。なぜならそこには文化的な要素や人々が意識をしていない要因が存在するからです。そこでこの答えを探すのに用いられる手法が人類学的アプローチなのです。

 
人類学的アプローチは、未開の地へ赴き、現地で実際に生活をすることでそこでの文化や慣習を知ろうという研究から始まったといわれていますが、今では、「手法」としてビジネスの場面に応用されたり、「成果」としてビジネスに関する学術的研究が行われたりしています。今回の登壇者は、後者に当てはまります。
ポッドキャストで議論となったのは、日本が誇る「おもてなし」という貴重な文化がなぜ海外にうまく導入できないかということでした。その原因を人類学的アプローチで見ると自己の文化を無意識に優越したものだと見る(エスノセントリズム)傾向があるからです。

 
では、海外での日本企業の組織マネージメント、また海外企業の日本組織でのマネージメントにとって欠かせ無い要素とは何でしょうか?

 
海外に赴任するマネージャーに必要な資質とは何なのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

推奨読書

国民文化と異文化経営の関連性:日本における中国企業を事例に

本研究の目的は、人類学的手法に基づいて、企業の国民文化と①異文化経営(特にブランディング戦略と人的資源管理)との関連性;②現地文化との相互作用を解明することである。本研究は、国民文化を企業の「原産国(Country-of-origin)」文化と定義し、日本における中国企業を事例とする。先行研究では、国民文化による異文化経営への影響が指摘されてきたが、国民文化がどのように企業を通じて、異文化と相互作用しているのかについてはあまり明確にされていない。申請者の研究では、異文化の市場において、国民文化がブランド戦略と人的資源管理の面で全く異なる影響をもたらすということを明らかにした。本研究の成果は、多様化する国民文化と異文化経営の関連性、そして、現代中国文化と経営の関連性解明への貢献が期待されている。

「日本式」サービス精神の継承と伝播における課題:小売業で勤務する外国人労働者の「声」を中心に

申請者が行った香港における日系小売業の研究においては、現地の従業員と共に働くという参与観察を通じて、「日本式」サービスの継承・伝播が困難である理由には、①サービス・マニュアルにおける曖昧な記述に起因する日本的サービス価値観共有の困難さ;②強い「日本的」要素を強要する制度に影響された従業員の低いモチベーション、があげられることを考察した。このように、特定の「場」というコンテクストの中で、「日本式」サービス精神がどのようにプラクティスされているのかについて研究することで、現在企業の課題となっている日本的サービスのグローバル化について、示唆となる結果を提供できると考える。

店舗文化と人材の定着:中国と香港を事例に

市場のグローバル化に伴い、数多くの企業は新たな市場を求めて海外市場に進出し、自国で培った経験に基づいた人事制度や経営理念を海外に「輸出」してきた。その過程において、海外に進出した日系小売においては、高い転職率が問題として提起され続けてきた。従来の企業研究では、定量的な研究手法を通じて、問題の背景には非論理的な「日本的経営」や「現地における転職文化」があると結論付けている。しかし、このような研究手法は、「現場」で発生している問題を単純化してしまう傾向がある。「外部者」として定量的に企業を研究することは、数値で社員の感情を表すことになり、社員の感情を影響している複雑な要因を見過ごしてしまう可能性がある。また、複数の企業を研究することにより、小売業の核心となる店舗文化の分析が限られ、企業制度の差異を過大評価してしまう可能性がある。