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日本の人事 – 挑戦と前進:「戦略的に考えていらっしゃる人事の方々が足りてないんです。」

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みなさんこんにちは。

モティファイでCreative internをしている渡邊です。

今回も前回に引き続き、モティファイのチーフサイエンテストでもあるピョートルさんにお話をお伺いしたいと思います。

 

渡邊:今日もよろしくお願いします。

 

ピョートル:よろしくお願いします。

 

渡邊:というわけで今回もどんどん質問をしていきたいと思いますが、ピョートルさんは

Google だったりモルガンスタンレーといった多文化の背景を持つ企業で長く働いてこられました。そんなバックグラウンドを持つピョートルさんに質問したいのですが、海外と日本の人事形態の違いというのはあるんでしょうか?

 

ピョートル:はい。海外と言ってもどの国ということにもよりますけれども、全般的にグローバルの企業の動きと典型的な日系企業の人事の動きでもかなり違うんですね。

まず、戦略は完全に違いますね。 Googleも、モルガンスタンレーも非常に戦略的に人事に力を入れてます。それはどういう意味かというと、根本的に企業として何の価値を生み出すか?お客様にどんなサービスを提供するか?どんな商品を提供するか?ということによって逆算で決めるんです。そのビジネスモデルを回すための仕組みの中で、人事はそのひとつです。そうすると、ビジョン、ミッションでそのミッションを回すビジネスモデル、そのビジネスモデルをサポートする人事制度というものが決まってますね。よく見れば多くの日系企業は人事制度を導入していなかった企業があるんですね。ちゃんと、企業が固まった後で、制度が導入されるんです。コンサルなどを使って人事制度の教科書みたいなマニュアルを買って導入すると、やっぱり会社の動きビジネスの必要性とそのビジネスモデルと人事制度が一致してない場合が多いです 。

 

渡邊:なるほど。海外ではどちらかと言うと人事がコアな働きをしてくるっていうことですね。それに比べて日本っていうのは大きな枠組みを作った後に人事制度を導入することによって、そこでの違いが生まれてきてしまう。ということですね。

 

ピョートル:あと、細かい話をすると非常にわかりやすいのは、多くの日系企業が目標設定やパフォーマンス評価に力入れてないんですよね。例えばGoogleであれば OKR(Objective and Key Result(目標と主な成果))目標設定の制度があります。例えば、毎年1月に会社のレベルのディレクション、ミッションが発表されるんです。2018年にあれこれに力入れますと。それによって四半期ごとでコウタイチのOKR設定がされます。会社のミッションビジョンに向かって部署、チーム、個人が何をするかということを目標にしてます。そうすればボトムアップとトップダウンのすり合わせが行われるんです。それによって、例えば、チームのレベルだと毎週のチームミーティングや毎週の一対一のOne on One。マネージャーとチームメンバーとの打ち合わせの中でどれぐらいの目標を達成してるかというの確認しながらパフォーマンスのマネジメントが行われるんです。それによって四半期ごとで評価されます。例えばをOKRの達成度は正しかったか正しくなかったかです。それによって非常に大事なポイントはOKRっていうのは非常にフレキシブルです。まず、ストレッチゴール、伸び代のあるゴールでもある。その中で例えば現実的に状況が変わったとか何かうまくいかなかったということによって、四半期のゴールは毎週少しずつ調整することができるんです。それに比べて多くの日系企業はちゃんとパフォーマンス評価をしようとしていても KPI (key performance indicator 企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標)、要するに100%のゴールを決めて、その100%を何パーセント何パーセントと部署ごと、チームごと、個人ごとで分けています。ちゃんと四半期ごとのゴールが評価されたりマネジメントされてる仕組みが実際にないんです。その仕組み=ちゃんとしたチームミーティングやちゃんとしたOne on Oneでのコミュニケーションとマネジメントの仕組みがなければ、結局1月に設定した KPI を12月に見て達成しなかった。あなたは達成しなかったと言われても、達成しなかった従業員はかわいそうだと思うんです 。

 

渡邊:なるほど。目標設定をするときに短期的に決めてフレキシブルにしていくか、長期的な設定にしてそこで達成してなかったらそれで駄目っていう風になってしまうかという事ですよね。

 

ピョートル:そうですね。残念ながら多くの日系企業は誓約説の考え方で人事が行われるんです。

社員が完璧ではないという考え方で、いかにその社員をコントロールしていくか支配していくかコンプライアンスに従ってもらうかというかという事を根本的なフィロソフィーとして持っているんですね。 Google などの最先端の企業だと、性善説で考えて個人個人が何かできる?個人個人が何がしたい?というバランス、何をもたらすと何を得るというバランスをちゃんとを大切にしてるんです。そうするとやっぱり個人と個人のマネージャー、個人のチーム、個人の部署と会社との関わりに非常に力を入れています。

 

渡邊:なるほど。今の話をまとめると、海外と日本の上司への関わりだったりとか会社への気持ちだったり関わり方もだいぶ違うという事ですね。

 

ピョートル:違いますね。

一番、私が個人的に悲しいなと思ってるのは選別の考え方ですね。

要するに大手企業の日本企業をよく見ると、例えば、次世代リーダーやそのマネジメントコースに入る人材というのは確保されています。新卒の採用のレベルで新卒で採用された従業員もよく見て、その中のポテンシャルがありそうな人たちを選ぶんです。あと2年、3年、5年目ぐらいで出世コースに入るか入らないか、そのコアメンバーになるかならないかという事は決まってるんです。出世コース、そのコアメンバーのグループに入らなかった人材はそのままほっとかれるんですよね。本当にやっぱり人事に注目されないんですね。注目されてるのはその選別されたコアリーダー、次世代リーダーです。それは非常にもったいないんです。人はそれぞれのポテンシャルがあって、うまくそのポテンシャルの発揮できるような社風や人事の仕組みがあれば誰でも伸びる可能性もあるんです。やっぱり海外の外資企業だとフェアに平等なチャンスを誰にも与えるんです。例えば、日系企業のコアメンバーや次世代リーダーの選び方って客観的ではないケースもあるんです。部長が可愛がってる子たちが選ばれる可能性は高いんです。部長に従って部長の命令にちゃんと応じた仕事をしてくれることしか選べないんですね。そうじゃなくて、本当に仕事で結果を出してる人達はチャンスを与えられて、例えば四半期であんまりパフォーマンスを発揮できなかったけれど、次の四半期でちゃんとしたコーチングやちゃんとしたサポートをされれば伸びるし、圧倒的に全く違ったパフォーマンスを出す可能性もあるんです。人は固まったものではなくて人はプロセスであるという性善説で考えればもう本当に平等に誰でもパフォーマンスを発揮できるような人事の仕組みや働き方を作って、その中で本当に結果、効果を出してる人たちをサポートしていくというのは正しいと思います。

 

渡邊:なるほど。という事は、海外と日本の企業で社員を上司の人たちがどういう風に見てるかっていうのが違うことによって将来成長できるはずの人たちも成長できなかったりしてチャンスを逃してしまう可能性があるという事ですね。

 

ピョートル:そうです。本当にかわいそうにほっとかれて、極端な例というのは窓際社員ですよね。何もしなくてもここに居てもいいんですけど、解雇されないんですが会社に行ってもちゃんとした仕事を任せてもらえなくて精神的に落ち込んでしまうケースも少なくはないんです。

 

渡邊:多々ある感じですね。なるほど。今、海外と日本の人事形態の違いをおっしゃってくださったんですけど、ピョートルさん自身の考えで日本の人事の持つ強みと弱みは何だと思いますか?

 

ピョートル:強みはやっぱり、良いか悪いかは別として人材の安定ですね。一回雇われたらもう終身雇用で定年退職するまで居られるので、そうすればやっぱり安定感のある環境の中で自分でクビにされないという恐怖がないということは非常にロイヤリティが高い忠誠心を作るんです。

いい場合だと、会社で例えば終身雇用で何十年間も働いてロイヤリティが強くて圧倒的な結果が出せるような社員が出来上がるんですけれども、そうでもない場合もあります。

あとモビリティの考え方は非常に良いと思うんです。同じ仕事、専門性だけを仕事として考えるんではなくて移動されて違う仕事やってみる。違うアイデア、新しいアイディアを営業から人事に移された人が人事の常識を持ってないので現場の声のレベルのアイディアをもってくれているんですね。

 

渡邊:なるほど。今まで強みを話してきていただいたんですが逆に弱みは何でしょうか?

 

ピョートル:はい。弱みは終身雇用でもあるんです。さっき申し上げた人材の安定というのも悪いケースだと弱みになるんです。例えば、簡単に言うと、どうしてもパフォーマンス出せない人間をそのまま会社に居てもらって解雇しない。ということは弱みになるんです。

離職率っていうのも会社に大切です。0っていうのは良くないと思うんです。 Google などの本当に圧倒的にパフォーマンスを出している会社を見るとだいたい12%の離職率があるんです。自分たちで手を上げて転職する人たちもいるんですけれど、もちろんパフォーマンス出していない人達に優しい言い方ですがいかに会社から出てもらうかというのは考えなければならないんです。それは一つ。あと、圧倒的に前にも申し上げたんですけれども、戦略的に考えていらっしゃる人事の方々が足りてないんです。会社が何の目的で動いてどんなビジネスモデルで回って何の人事制度が必要かという、ビジネスアドバイザーのようなビジネスパートナーの人事の考え方が足りないと思うんですね。ただ人事は分からないんですけど契約書を作って給料を決めて新卒を雇うというのはよくないんですね。あとダイバーシティの面で非常に弱いです。圧倒的に今、ダイバーシティ推進室が多くなってきてるんですけれどもダイバーシティ=女性社員を増やそうという考え方です。ダイバーシティ何のために必要かという事を考えれば簡単に思考のダイバーシティは必要ですね。例えばグローバルな環境で何とか頑張っていきたいのであれば、グローバルな考え方を持っていらっしゃる社員が必要です。例えば、誰でも使ってる商品を出しているのであれば、その商品の利用者のダイバーシティを見ると利用者よりダイバー数の多様性のあるワークフォースが必要です。 Google はまさに誰でも使えるようなサービスを出してるので Google の中のダイバーシティは Google の外のダイバーシティより高くないとよくないです。

 

渡邊:今まで強みと弱み、日本の企業の人事が持っているものを話してきていただいたんですが、日本の人事部、人事の形態の形が持ってる問題っていうのは何かありますか?

 

ピョートル:問題は勿論、いっぱいあると言えますが、まあチャレンジが多いんですね。よく見ればグローバル化が非常に進んでいるんですよね。インバウンドとアウトバウンドのグローバル化に実際に適用できる企業、日系企業は圧倒的に少ないんですよ。それはとても残念で、日本の良さをいかに世界に伝達するかという事は日経企業の大切な役割なのにグローバルな環境の中で仕事でできるような人材を作っていない、確保していない、作っていないというのはまず一つですね。

 

渡邊:グローバル化で活躍できる人材を育てられていないと仰っていたのですが、何がこの問題を引き起こしているのでしょうか?

 

ピョートル:非常に申し訳ないんですが、僕、よく日系の大手企業の東京の本社に行くんですね。よく見ればグローバル企業の本社で働いていらっしゃる皆さんはグローバルな仕事をされているという認識を全くしてないんです。それは現場のレベルでもマネジメントのレベルでも。よく見れば日本の法人と海外の法人の戦略や人事も別れていて、圧倒的に繋がりがないんです。その繋がりがなければ自分がグローバルな仕事に慣れてない人が多いんです。毎日 Googleもモルガンスタンレーもグローバルな企業として動いていて、東京で働いているかニューヨークで働いてるかシリコンバレーで働いているか関係なく同じ情報に実際、アクセスできますし、例えばGoogleの場合は毎週、シリコンバレーで木曜日に(東京の金曜日)「Thanks Google It’s Friday」というTGIFミーティングが行われています。それは非常に戦略的な仕組みで毎週、社長がステージに立って会社の戦略や今のチャレンジ、これからの動きについて話して、それぞれの目立っているプロジェクトの担当者リーダーがそのプロジェクトを発表しています。あと例えば、文化について話すんです。そうすれば、東京の社員でも金曜日の朝、ハングアウトビデオ会議でアクセスできて、しかも、誰でもいつでも質問ができる仕組みなんです。そうすると、東京の人が手を上げてマイクを取って普通に社長に質問ができるんです。よく、日経企業の社員が自分の会社の社長を見たことがないと言う声を挙げるんですよね。信じられないんですよね。残念ながら、簡単にできる事なのにピラミッド構造の会社の中でそのレイヤのコミュニケーションが本当に足りないんですね。あとは言語がどうとか異文化がどうとかというとか日本は違うという説がいっぱいあるんですけれども、実際に0からグローバル化に力入れている、スタートアップに力を入れている例えばメルカリさんって普通にもうすでに小さな会社なのに、東京の本社にシリコンバレーのサンフランシスコオフィスやシアトル、オレゴン、ロンドンにオフィスがあるんですよね。皆が同時に特にエンジニアリングだと、開発が24時間ちゃんと行われるためにコミュニケーションしているんですよね。だから日本人ができないというのは僕は嘘というか勘違いだと思うんです。日本人もちゃんとできるんです。ただ、ちゃんとグローバルで働けるような仕組みを作っていかないと駄目ですね 。

 

渡邊:なるほど。そうなんですね。他にもありますか?

ピョートル: 他にもありますね。これからやっぱり、テクノロジーに力入れるというのは非常に必要だし、あと、コミュニティ作り、コミュニティエンゲージメントというのはどんな会社にも、今の世界、ネット世界だと不必要不可欠だと思います。

残念ながら、日系企業は未だに今はものづくりに非常に強いんですけれども、そのものにコミュニティを繋げないと駄目です。そのコミュニティはオンライン・オフライン・アナログなコミュニティどっちでもいいんですが、 ただ、商品を出して商品が店に置かれて、商品をわざわざ買いに来てくれるお客様を待つのではなく、いかにそのお客さんと商品の開発のレベルで繋げていくかということを考えなくてはならないんですね。

例えば、 Google の場合だと、非常に有名ですけれども、オープンソースのプログラミングソフトウェア開発もあるんです。コアはもちろん Google のエンジニアが開発してるんですけど、その人達に見てほしい触ってほしいという部分をオープンソースで無料で外に出すんですね。そうするとプログラミングを学びたいとかGoogleを支援したいプログラマが色々入って無料でやってくれるんです。考えてみると、日系企業で無料でお客様が何かをやってくれるという企業を聞いたことがないです。 CSR とかという考え方でコミュニティコミュニティー作りなど、震災の方々にサポートしていく仕組みというのはありますが会社の壁をなくして外の人たちと一緒に働いていくという事は非常に少ないです。簡単に言うと従来の企業で工場で考えれば、壁が分厚いんです。その枠を超えないようにいろんなルールがあって、コンプライアンスで社内、社外がすごくしっかり分けられてるんですけれど、今、どの分野でも成功している会社、例えばテクノロジー、もの作り、化粧品等、社会的・世界的に成功してる会社がコミュニティをもって非常に大きいミッション・ビジョンを持って、コミュニティの方々に影響を与えているんですね。それは、枠ではなくて軸ですね。その軸が強い重力があって、 重力に共感できる人たちが近づいてくるんです。それを例えばコミュニティで何かをサポートしたり、オンラインで情報を飛ばしたり、ものを買って次に社員になろうとする希望まで行くんですね。今やっぱり新卒のレベルでも中途のレベルでもそういう会社は非常にエンプロイー・ブランディング(Employee Branding) が強いです。そこで働いてみたいという希望を持っている人達が多いんですね。そうしないと必要な時に人を雇うということじゃなくて、マーケティングのような考え方を左右にもたらさないと、人はもう来なくなってくるんです。段々がやっぱり強いブランドが強いブランディングはネットでできるので、消費者や応募者もまず、ネットで調べますね。そのネットのブランディングを作るという事は日系企業は残念ながらすごく弱いです。

 

渡邊:コミニティを作っていくことの大切さが問われていかないといけないんですね。

 

渡邊:では、次の質問に移っていきたいんですけど、今、世界はすごい早い速度で変化していってると思います。社会も、もちろんそうだと思うんですが経済もその中の一つだと思うのですが、その速い変化をしていく中で日本の人事はどのように対応していくべきかとお考えですか?

 

ピョートル:最近、「働き方改革」というキーワードが多いんですけれど、僕はそれが間違った方法だと思うんです。例えば、残業を減らしたりとか夜8時に電気を消したりする企業があるんですけれど、もちろん個人のレベルで残業っていうのはよくないんですが、働き方から変革を行うといのは間違ってると思うんです。経営計画を行わなければならないんです。要するに会社は何のために存在してるのかというミッションと何を世界にもたらしているのかというビジョンをしっかり決めて、その会社が出来上がった後でじゃあビジョン決めようということじゃなくてちゃんとそれが会社のコアだというのを考えていただかないと駄目だと思うんです。そのビジョンやミッション作りのファシリテーションを経営者と一緒に仕事して経営者の理念や価値観をちゃんと分かって、ビジョン、ミッションをいかに作って、そのビジョン、ミッションがいかにビジネスモデルに落とされて、その次に人事やテクノロジーを同時に使って色んな価値を世界にもたらすかという事を考えなければならないです。どうしても大手企業だと縦割りが強いです。例えば人事は働き方を頑張って、IT部門は新しいツールを考えて、繋がってないんですね。経営のレベルで繋げれば同時にやっぱり人事の責任者やITの責任者は会話できるんです。それはとても大事だと思うんです。あと、やっぱりグローバル化しなければならないというのも当然ですね。それがインバウンドかアウトバウンドというのも考えなきゃならないですね。人材のレベルでインバウンドなグローバル化が必要だと思うんですね。外国人を増やしていか彼らに建設的に働くような仕組みを作っていく。非常に悲しいと思うんですけれども、例えば今外国人はすごく日本に来たがってるんです。やっぱり観光も伸びているし、日本の文化も感じてみたいとい事で、ちょっと駐在、数ヶ月して善を学んだり、日本の色んな伝統を学んだりする人たちはも増えてきてるんです。その人たちが日本に住んでみたいという時にどこに行くかと言うとほとんど外資系やスタートアップ海外の海外系の外国人が立ち上げたスタートアップに行ってしまうんです。日経の大手企業に行かないんです。日本で、留学してる学生たちや院生のレベルの皆さんも、就活をする時に外資に行ってしまう。日系企業に行かないです。それはとても大きい病気の症状だと思います。日系企業のエンプロイー・ブランディング( Employee Branding) が世界的に低いです。

 

渡邊:なるほど。さっき、日本の人事部が直面している問題というところでもあげていらっしゃいましたが、やっぱりコミュニティを作っていかないといけないっていうのはとてつもなく大きな問題なんだなというのは今の話を聞いて思いました。会社の中のコミュニティももちろんそうなんですけど外とのコミュニティの作り方も考えて行かないといけないですよね。じゃあ、日本の良い点を先ほど、上げてもらったんですが、その良い点を伸ばしていくべきところはありますか?それをうまく活かせるような。

 

ピョートル:もちろんあります。実際にクオリティの重要性やおもてなし。例えば商品のレベルでクオリティは非常に高い日本製というのは世界的に有名です。あとサービスのレベルでおもてなしというのは非常に世界的に有名なんですけれども、そいかにそれを建設的に世界にもたらしていくかグローバル化させていくかというのは必要不可欠なまひとつのことなんですけれども、やっぱり僕は是非、中小企業の社長の皆さんにもっと自信をもって、もっと世界に出て頂きたいんです。どうしても未上場の中小企業だと現地や地方の街を支えている非常に大切な仕組みでもあるんですね。よく見れば、我々のお客様でも利他主義で動く企業が多いんですね。地方の中で現地の人たちにいかにちゃんと職場を提供していくか、現地が活性化されるために新しい仕事を作っていくとか非常に工夫してる社長が多いんですね。なのでそのクオリティやおもてなしを利他主義のレベルで全世界にもっていくという事を皆さんに考えて頂きたいなと思います。

 

渡邊:日本の日本らしさっていうところをどんどん前に押していかないといけないという事ですね。そうするとたぶん世界でも同等のように行けるかもしれない可能性があるという事ですね。

 

ピョートル:もちろん可能性はあります。

 

渡邊:では次の質問にいきたいと思います。

日本の企業に対してマネージメントのコーチを長い間やってきていらっしゃると思うんですけど、今の世界情勢だったり社会の経済の体系だったりに対して日本のリーダー格の方々がどのぐらい認知しているんでしょうか?

そして、さらに、これからどんどん変化していく世界に対応していくときに誰が日本を引っ張っていくべきなんでしょうか?

 

ピョートル:まず、少し前置きしたいと思うんですけれど、個人的には、仕事を通じていろんな方と接するんです。

今の接してる方々を4つの層に分けて動いているんですね。まず、ゆでガエルですね。変化に気づいてない。変わりたくない方々です。その次は、気づいた層。変化が起きている。さらに次のレベルは変えたい層です。最後は実践する層ですね。圧倒的に未だに、ゆでガエル層が多いんです。例えば、よくセミナーで Google など、シリコンバレー、ベンチャーの話をするとよく言われるんですけど、「ピョートルさんはGoogleだからできるんですよ。」とか「日本人にできない。」と言われちゃうと、どうしようもない気持ちになってしまうんです。日本人もできます。日本人だからこそ出来るはずです。日本人の良さや誠実さをいかに世界にもたらすのかという事は非常に大切なんですが、非常に今、僕が気になってるのは情報収集です。簡単に言うと、今のネットを見れば圧倒的に英語での情報量が多いんです。残念ながら、雑誌でも、本でも、オンライン記事でも英語から日本語に訳される時間の差が大きいです。僕が今読んでいる本というのはほとんど、日本についての本でなければ英語です。呼んでいるニュースや積極的に探して情報も圧倒的に英語が多いです。もちろん日本について調べたい時、群馬県はどうとかって調べたい時には日本語で情報を探してるんですけれど、今のテクノロジーの進化とか世界の変化とかメガトレンド、大きいトレンドっていうのはやっぱり英語での情報が手に入られるの段階と日本語での情報が手に入れられる段階とは全く違うんです。英語で情報収集しないと完全に遅れてしまうというのもあるんです。

それに、全く日本語でも情報収集しないサラリーマンたちは少なくはないです。まずやっぱりいかに何が今起きてるかというのを見て、例えばトレンド。何がテクノロジーで何が変わっていくか。政治で何が起きていくか。グローバルな経済で何が起きていくか。というのをまず、リアルタイムで見ないと先読みできないです。先読みというのは常にある、トレンドから新しいトレンドが出てくるんじゃないか?と言うの感じる直感でもあるんです。

あとサイクルもあるんです。経済のサイクルや、ファッションでもサイクルがありますよね。10年後、20年後ぐらい似たようなトレンドが出てくるんですよね。サイクルにいかに気づくかという事も大事です。トレンドサイクルをいかに認知していくのは必要不可欠なマインドセットですね。残念ながら、それを上手にされている日本人は少ないです。

あと、東京と地方の差もかなり激しいです。東京に居る皆さんはグローバル化を肌で感じるんじゃないですか。それで、興味を持って、いろんなニュースや情報を見たりするんですけど、地方の方々が東京に比べて遅れてるんです。東京の人は世界的に遅れているんです。地方の人は東京より遅れてるんだったら、もう圧倒的に遅れているんです。それは非常に残念です。

 

渡邊:なるほど。日本らしさをだ大事にしていかないといけないという一方で、英語での情報情報収集をしなければいけなかったり、世界的に遅れてしまっているという現状を何とかして変えていかなければならないという事ですね。

 

ピョートル:そうです。 実際に文化で教育の問題、経営の問題になってくるのはコミュニケーションが足りないんです。コミュニケーションが足りないというのは、時間だけではなく、コミュニケーションの情報の量、クオリティです。例えば、具現化、言語化していくのは残念ながら上手な人は非常に少ないんです。日本の中で。簡単に言うと若い人でも、そうでない人でも日本文化に関しての質問すると答えはバラバラだし、答えられない人たちが多いんです。文化や歴史をちゃんと語れないんです。そうすると日本の良さを外国人に伝えられないんです。例えば、海外に進出する時に赴任先で、日本の本社の人たちは何を考えているか。何をしようとしているのか。という事を伝えられないケースが多いです。言語の問題じゃなくて、言語化の問題ですね。ちゃんと日本語で語れるんだったら、それは通訳者に訳してもらえれば問題はないんですけど、語れないっていうのが問題です。

 

渡邊:なるほど。言語の問題に先にコミュニケーションの質っていうのが問題になってきてしまっているんですね。では、先ほどの質問の繰り返しになってしまうんですが、これからの変化に対応していく時に、誰が日本を引っ張っていくのでしょうか?

大企業なのか?それとも中小企業なのか?それともベンチャー企業なのか?

 

ピョートル:非常に言いやすい事はベンチャー企業ですね。中小企業や 大手企業より、早いんです。なぜ早いかというと、テクノロジーを通じたビジネスモデルに力入れてるので、例えばシリコンバレーを見てる、中国を見てる、イスラエルを見てる、エストニアを見てるんですね。大手企業はやっぱりスピードが遅い。社内のコミュニケーションは時間がかかる、中小企業の多くの場合だと、さっき言ったように、地方の中小企業の社長らが圧倒的に情報を収集してないとか、その面で遅れてる方がいらっしゃるんです。ただ、理想的にはやっぱり、その三つのそれぞれの類の組織にもっとスピードを上げて、日本を引っ張っていただきたいんです。あと、民間と行政と教育機関のコラボレーション共同企画が必要不可欠です。経産省にもお世話になってるんですけど、経産省は可哀想と思うんですよ。例えば、ベンチャーチャレンジトゥエンティトゥエンティというプロジェクトで、起業家を増やそうとしているのに、それに気づいていない人が多いし、例えば、働き方改革やダイバーシティ推進などで大企業に、いろんな研究をして色んなベストプラクティスなどを提供してるのに大手企業が動かない。というのもあります。

 

渡邊:なるほど。では、ベンチャー企業が引っ張っていく可能性が高いけれど、それと同時に民間だったり、行政だったり教育等の様々な業界がコラボレーションしていく必要がこれからの日本には大きくあるという事ですね。

 

ピョートル:さっき言った4つの層の中で、実践層の方々が実際に一番引っ張っているんですね。我々は中小企業に力入れるか、ベンチャーに力入れるか、大手に力入れるか、行政に力入れるか、というより、今、我々の考え方の中で実践層をいかに増やしていくかというのもあります。彼らがどこにいるかということは別として、経産省の方か、大手企業の新規事業の担当者か、ベンチャーの社長か、中小企業の社長かという事は関係ないんです。やるかやらないかっていう事が関係があります。

 

渡邊:行動を起こしていく人達の数を増やしていかないといけないという事ですね。

 

ピョートル:失敗を恐れずに、積極的に失敗を繰り返しながら、新しい思考錯誤、新しいチャレンジを積極的に受け入れている行動を取ってる方々が日本を引っ張っていくと思っています。

 

渡邊:そうなんですね。では、次に行きたいと思います。マネジメントコーチを今までしてきた中で、一番難しかったことや苦労したことはありますか?

 

ピョートル:一番苦労している事は、やっぱり、残念ながら大手企業の中で変わりたくない人たちが多すぎるんです。さっき、言った実践層を育む、作るというのは日本のこれからの経済にとってとても大切なんですけれども、変わりたくない人たちが多すぎるんです。よく、半分冗談でバーコード思考親父と呼ぶんですけれども、年齢は問わず、変わりたいと思っていない方々がよくいらっいます。よく、その方々に、残念ながら、正しいビジョン持って正しい方向に動いてる方が足を引っ張られてしまうんです。次に行かないと会社が潰れるんだよと言っても、自分はここで居心地かが良い、大きい席に座っちゃった。という事もあるんですよね。そこで非常に複雑な問題が起きていて、終身雇用がそういう人たちを作ってしまう、悪いデメリットもあるんですね。気持ちはわからなくもないんです。例え

ば、新卒で、会社に入って、7年間、8年間働けばやっと給料が上がる。頑張って給料が上がったのに、また面倒臭い事が起きると大変。やっと頑張って10年目に課長になった。それでちょっと楽になって、部下を持って、指示をする立場になったのに組織変化。20年間頑張って部長になってやっと大きい組織を回せるのに、また新しい方向とか、会社のビジネスモデルの変化。という時にどうしても我慢して長い時間を潰して頑張ったのに、新しい方向に会社が行こうとしてると、自分より若い人たちが責任を持つとか、自分より若い人たちが専門性を持つと、それらに比べられるのは嫌だという事は解らなくもないんですが、ただ、本当の問題は何のために働いてるのかという事を考えてないんですね。ただ、ここに行って給料もらうためじゃなくて、会社が何らかの社会の貢献しないとダメなんです。価値、世間に対して価値をもたらさないという事は会社の存在意味がなくなってしまう。それを少し自分のレベルで振り返って、自分が何をもたらせば、会社のビジョン、ミッションが達成できるかという事を考えなきゃならないんです。

 

渡邊:なるほど。働いている方の考え方だったり、変化する事が嫌だとか保守的な考え方になってしまっているという事が少し難しいという事ですね。

では、私たちが対応していくべき大きな問題、一番、重要視していかないといけない問題はなんだと思いますか?

 

ピョートル:それは、ぜひ、どなたにも考えて頂きたいのですが、自己実現しないと幸せにに生きられないと思うんですよ。自己実現って簡単に言うと、まず、自己認識から始まるんです。さっき言ったんですけれども、自分のことをちゃんと分からないと何がしたい、何がしたくないという事が分けれないんですね。何が大切で何が大切ではないか何が正しいか何が正しくないかという事を自分の中で区別できなければ非常に大変ですよ。モヤモヤばかり。最近、モヤモヤしてるという日本語が増えてるんです。モヤモヤ流行ですね。大ブームですね。モヤモヤするのではなくて、やっぱり○○○を早く回して、自分がどういう人だっていう事を自己認識のレベルで試行錯誤を早くしなければならないです。そうすれば自己解除していく、自分が何が好きか、何が好きじゃないか、何が大切で、何が大切ではないか、何が正しいか、何が正しくないかを他人に伝えながらその中で他人が、どこに共感できるかどこに反応するかが見えるんです。それを強調する自己表現ができるんです。そうすれば自分ができるという自己効力感が高まって、ガンガン、自信を持って前に進んでいくような人間になるんです。

 

渡邊:自分の事を知るということですね。先ほどのも仰っていましたげれど、私は日本人なので、日本の事を良く知る事や自分の事をよく知ることで、将来に繋げたりとか、 仕事に繋げたりという事ができるという事ですね。

最後にこれを聞いている皆さんにメッセージをお願いしてもいいですか?

 

ピョートル:皆さんには自己認識のレベルから始めて頂きたいんです。あと、その中で、何のために生きているか、何を世界にもたらしたいかという、大きい質問なんですが、その質問を自分にし続けるという事が大切ですね。自分のビジョン・ミッションというのは人生で何回も変わりますが、まず、今、今日何がしたい、どんな人間でありたい、他人にどんな影響をもたらしたいかという事をまず考えてみないと、明日、あさって、来週、来年というのは変わらないです。

 

渡邊:皆さん、今日はどうだったでしょうか?自分に問い続けるという事を意識しながら、今日一日、今週、これからの一年、これからもずっと、意識し続けてみてください。今日はありがとうございました。

 

ピョートル:ありがとうございました。

 

月曜の朝のポッドキャストチーム。

ホスト:永望渡邊

ゲスト:ピョートル・グジバチ

プロデューサー:Van Nguyen

スポンサー:motify.work、ワークフォーステクノロジーです。

 

一人一人の社員の成長をサポートするプラットフォーム、http://www.motify.work/。

 

「働きかたの達人」エピソード4 ・ 「日本の人事 – 挑戦と前進」